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定年延長とシニア人材の活躍推進

2018/08/14
三島 寛之

深刻な人手不足等を背景に、各社で定年延長やシニア人材の活躍推進について関心が高まっている。弊社では、東海地域におけるシニア人材の採用・活用の実態を把握するため、独自調査を実施した。

当調査によると、定年延長を決定または検討している会社は25%にのぼった。中長期的に労働力人口の減少が見込まれるため、人材確保を進め、シニア人材ひいては社員全体のエンゲージメントを高める手段として「定年延長」は有力な選択肢になる。

シニア人材が輝きイキイキと働き続けられるために、定年延長を視野に入れつつ「仕事に対するやりがい向上」と「処遇に対する納得度向上」に向けた取り組みを実施されたい。

「仕事に対するやりがい向上」については、シニア人材と上司との関係性を良化し、シニア人材が存在意義を感じられ「承認」欲求を満たせる環境を整えること。そして、シニア人材の「達成」意欲を喚起するため、その期待値を明確にすることが大切だ。シニア人材とその上司の期待や考えには、ギャップが生じやすい。お互いにギャップがあることを理解し、そのギャップを埋めるように双方の意識やアクションの改善を進めていく。

「処遇に対する納得度向上」については、60歳超における「役割・職務」と「賃金水準」のアンバランスを解消するように、賃金制度等を整える必要がある。シニア人材を貴重な戦力として位置づけ、生涯にわたって一貫した処遇を実現するためには、人件費生産性の観点から“社員一人ひとりに能力に応じた役割・職務を与え、そこで発揮されたパフォーマンスにふさわしい報酬水準で報いる”という人材マネジメントの大原則に立ち戻ることが必要となるだろう。

HR第3部
シニアマネージャー
三島 寛之

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