経営戦略
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~生物多様性協働のつくり方~
生物多様性保全に向けて、多様な主体の協働によるコ・プロダクションをはかるための方策について議論をした。生物多様性保全のみを目的とした保全政策から、地域の課題の解決を図る中で生物多様性に関する課題の解決をも同時に図る動きへの移行が見られる。具体的には防災や都市環境整備、産業基盤の創生等といった地域課題に対して、グリーンインフラとしての活用、エコパークやジオパーク等も含めたエコツーリズム、生物多様性保全による地域ブランディング、自然資本経営、そしてさまざまな地域おこしの取り組みを行ううえで生物多様性の保全と活用を取り込む動きである。生物多様性保全上のリスクの背景には必ず社会的要因があり、その解決を同時にはかることは地域での持続的な保全につながると期待できる。このためには多様なステークホルダーが参画するプラットフォームの形成が必要であり、New Public Governanceによる地域経営の動きにも合致する。
協働の実践にあたっては、地域で幅広い年齢層からの参加、多様な立場の人の参加をはかるために、なるべく敷居の低いきっかけづくりが大切なことや、明確な将来のビジョンや課題、生物多様性に関する情報の共有が大切なこと、適正な空間スケールやパートナー、適正な技術を意識した活動展開が重要なこと、長期の取り組みを意識した組織づくりが特に重要なこと等を指摘した。
また協働をより広めるために、規制だけでなく活用推進を意識した枠組み、博物館を代表としたプラットフォームの機能拡充による「フューチャーセンター」化、コーディネーター人材の養成の重要性等を指摘した。