経営戦略
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~厚木市における映画館再生とシニア・コミュニティ・リーダーとの協働~
平成24年4月、神奈川県厚木市に再生した「アミューあつぎ 映画.comシネマ」は、「社会的付加価値を創出する映画館」を運営理念に据えて、従来の映画館の概念を越えた社会性の高い存在となるべく、厚木市の地域活性化、コミュニティ再生に貢献することを目指している。
オープンしてから2年、映画.comシネマは、厚木の地域課題の解決に真摯に取り組んでいる小さな市民活動の代表(シニア・コミュニティ・リーダー)の意志に共感し、寄り添い、そして実際に協働していくことで、着実にそのヴィジョンの実現に近づいている。本稿では、なぜ筆者がいわば地域と共生する映画館の運営を目指すこととなったのか、ならびに実際に映画館の再生が良質な市民活動の推進に深く関わっている事例を取り上げる。1例目は、厚木に公立夜間中学の開設を目指し、自主夜間中学を運営する「あつぎえんぴつの会」を紹介する。「あつぎえんぴつの会」では過酷な生い立ちにより学ぶ機会を失った高齢者に、学びの機会を提供し、余生の希望を与えている。2例目は自治会が中心になって、事情により外出困難となった高齢者に対し、近くの公民館と映画館との間に無料送迎バスを運行するという「外出困難者支援サービス」を紹介する。仲間どうしで映画を見て、その後、美味しい食事をとりながら、映画の感想を語り合うことで、映画がきっと残りの人生を豊かにしてくれることに気づいてほしい――そんな願いがこのサービスには込められている。独居老人が地域から疎外感を感じることなく生きていける地域づくりを目指している。