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国際貿易・投資ルールの将来

〜デジタル経済に関するE15イニシアティブの動向〜

2016/08/09

戦後の国際貿易体制の中心であったGATT/WTO体制は、引き続き無差別主義に基づく基本的な貿易ルールや有効な紛争処機能等によって、法的なインフラを提供するものではあるが、自由化交渉の面ではドーハ・ラウンドの不調により相対的に翳かげりをみせている。これに代わり、TPP等「メガFTA」が発現し、FTAや投資協定がさらに影響力を増しているところであり、国際経済秩序を支えるルールは転換期を迎えているといえる。

近年、IoTやビッグデータ等が経済や産業に与えるインパクトの大きさが広く認識されるに至り、デジタル経済はますます重要となっている。インターネットを基盤とするデジタル経済の拡大にともない、国境を越えるデジタル取引を促進するルール整備が求められている。事業者や消費者に対する信頼性を向上し、保護主義的な措置を制限することが、健全なデジタル経済の発展にとって必須であるが、これに対し、現在の国際貿易・投資ルールは有効な規律を有しているとはいえず、対応を迫られている。国際有識者会議「E15イニシアティブ」は、デジタル経済に対する国際貿易ルールの政策オプションを提示し、各国政府や産業界等への働きかけを行っており、グローバルな秩序の形成に向けて一定の貢献が期待される。

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