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日本的感性による中小企業のものづくり

2011/01/01

 京友禅の「千總」を成功事例として取り上げる。同社の創業は1555(弘治元)年である。つまり、創業から456年を経過して永続し続けている。千總は、一般の人々には知名度が低いものの、友禅つまり「きもの」好きの女性ならば知らない人がいないくらいの圧倒的な支持率を得ている高級ブランドである。千總の京友禅がなぜ人々を惹き付け、他のブランドと何が異なるのか、経験価値創造の観点を中心に分析した。その結果、マーケットセグメントとターゲットを時に変えて企業価値の向上を図りつつも、常に経験価値の最大化を求めてきていることが明らかになった。千總の永続の秘密は、時代性を鑑みた常に最高のデザインを目指し続けることによって、日本的感性を活かした顧客目線での経験価値の最大化を追求してきたことに他ならない。千總の友禅が顧客に熱烈に支持されているのは、職人の技術力に支えられている「こだわりのものづくり」により生み出された友禅が顧客にとっての経験価値を創造しているからであることを明らかにした。

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