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パート等労働者の人材マネジメントの変化と正社員の人材マネジメントに与える影響

2010/04/01

 近年、派遣社員を含めた正社員以外の雇用が増え、その数は労働者全体の3分の1を超えている。そして、それら非正規社員と呼ばれる人たちのうち約80%が、パート・アルバイト・契約社員といった雇用形態で企業・法人等に雇用されている人たち(以下パート等労働者)である。このように正社員以外の雇用形態の人たちが増加してきた背景には、企業側の人件費抑制や労働者側の労働意識の変化等、さまざまな要因が考えられるが、これら非正規社員の雇用に関する種々の問題点が顕在化してきている。
 ひとつには正社員と非正規社員との処遇格差の問題であり、2008年の4月からは改正パートタイム労働法が施行され、社員とパートとの処遇格差の是正に向けた動きが出てきている。企業側においてはこのような法改正への対応や有能な人材の確保という観点から、パート等労働者の正社員への登用等を行う企業も一部出てきており、パート等労働者に対する雇用の考え方にも変化が出てきている。また税制改正において所得税の各種控除の見直しが行われているが、本年度は導入が見送られたものの、将来的には配偶者控除が廃止になる可能性がある。もし配偶者控除が廃止されると、この適用を受けるために年間労働時間を抑制してきた多くのパートの人たちの働き方にも大きな影響を与えることになる。
 本稿では以上のような状況を踏まえながら、非正規社員のうち派遣社員を除く、パート等労働者(特に正社員よりも労働時間が短いパート)の今後の動向に焦点を当て、これからのパート等労働者の人材マネジメントの方向性と、それが正社員の人材マネジメントに与える影響について考察する。

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