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宇宙フロンティア

2009/07/01
長尾 尚訓

 1969年7月20日にアポロ11号が月の「静かの海」に着陸して40年が経過した。これまで、米露欧を中心として、数多くのロケットや人工衛星が打ち上げられたことで、今では500人近くの人間が宇宙空間を体験し、宇宙のさまざまな神秘も解明されてきた。2001年4月28日には米国の大富豪デニス・チトーが民間人として初めて宇宙旅行を行ったが、日本でも宇宙旅行の発売が企画されるなど、人類のフロンティアであった宇宙は身近な存在となりつつある。
 これまで日本にとって宇宙開発は、ロケット、人工衛星などの宇宙機器の開発が最大のテーマであったが、世界的には技術が確立したこと等から商業化の時代を迎えており、国際競争力が問われる状況となっている。こうした状況の中で、日本は宇宙基本計画を策定し、今後5年間で最大2兆5千億円の予算を投入して、宇宙産業を21世紀の戦略的産業として育成することを目指すこととなった。
 本稿では、21世紀の戦略的産業として期待されている宇宙産業に注目して、日本が置かれた状況を整理したうえで、日本が取り組むべき長期的なテーマとして、宇宙太陽光発電と宇宙エレベータを提案するものである。日本が技術的な強みをもつこの2つのテーマに集中的に取り組むことでその実現を図り、以て人類社会の発展に貢献することを期待したい。

研究開発第1部(名古屋)
主任研究員
長尾 尚訓

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