経営戦略
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2025年を展望するとき、日本企業は、今後の急激な人口減少によって人的資本の縮小圧力を受けつつある。従来のような男性中心の人員構成のままでは、日本企業の人的資本はやせ細ることが眼に見えている。
有力な対策のひとつとして活躍する女性を増やし質も高めることが考えられる。日本企業は女性活躍推進の重要性を認識しているが、実現の目途を立てている企業は少ないようである。
本稿では、2009年から2025年を展望するとき、日本企業が女性活躍推進戦略をどのように確立していくべきかを検討した。
従来、育児・介護休業法や男女雇用機会均等法などの制定および改正により企業が進めてきた両立支援策や均等化施策の多くは「守り」の施策であった。「守り」の施策は、働きたい女性が仕事を辞めざるを得ない状況に追い込まれることを防いだり、雇用に関して女性が不当に不利な立場に置かれることを防止する、という意味で非常に重要であるが、「女性が企業で男性に伍して活躍する」ことを実現するのに十分な施策とはいえない。
今後日本企業が女性活躍推進で成果をあげるためには、「攻めの両立支援策」と「攻めの均等化施策」が必要となる。
また、攻めの施策の中でも、女性社員を対象とした施策は先進企業において少なからず実践されてきた事例があるものの、受け入れ側の企業組織を対象とした施策はほとんど見ることができないか、あったとしても戦略的に進められたものというよりは女性活躍推進を進めるなかで必要性の認識に至り実施された施策であると考えられる。
今後の急激な人口減少の影響を考えると、女性活躍推進をより戦略的に実践していく必要性が非常に高い。日本企業は自社組織の男性型組織としての風土等の現状を分析把握したうえで、さまざまな女性活躍推進施策を戦略的に展開していく必要がある。