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地域ブランド構築のマネジメント

2009/01/01

 地域活性化への処方箋として「地域ブランド」が注目される現代において、本稿ではその固有の性質から生じる問題を洗い出して、解決の手段となる独自のマネジメント手法を提示する。マネジメント手法は「開発」フェーズと「維持・管理」フェーズの2つの段階に分けられる。まず、開発段階におけるマネジメントは、第一歩として顧客ベースのブランドと供給サイドのブランドとの求める範囲の齟齬やねじれが生じていることを認識することである。消費者との間で疑念や誤解が生じないよう、定義や基準をクリアにしていく必要がある。また、開発に際し「地域ブランド」がアイデンティティを確立するのに必要な要素があることを指摘し、ケースごとに類型化した。そして、「地域ブランド」には地域という空間軸のみならず時間的な軸にも配慮し、「ストーリー性」が武器となることが分かった。
 次に維持管理段階のマネジメントである。「地域ブランド」の管理主体はそもそも複数の成員からなることを予定しており、組織間関係のマネジメントが必要となることがわかる。また組織間関係は(実証事例を通じて)、「競争」と「協調」の2つの拮抗する側面を上手く包含しなければならないことが分かった。日本の「地域ブランド」は中国をはじめとする各国でも評価が高い。上記のマネジメント手法を磨き上げて積極的に市場展開すると同時に、知財面にも注意を払う必要があるだろう。

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