経営戦略
三菱UFJフィナンシャル・グループ一体となっての顧客支援も含めて、他社にはない独自の総合ソリューションをご提供致します。
日本企業にとって、中国は製造拠点から市場へとその意味を変えている。中国の消費者と真正面から向き合う必要のある中国国内販売では、日本企業には真のグローバル化・中国化という新しいチャレンジが求められている。現時点で特徴的な日系企業の成功例・失敗例からは、いくつかの共通する必要要素が挙げられる。市場のニーズにマッチした製品・サービスを投入すること、長期的視点から思い切った資源投入を行うこと、適切な参入のタイミングでの意思決定を行うことである。ただし、その意思決定の背景には、中国市場の原理に対する適切な理解と、自社オペレーションを行ううえでの課題解決という内外両面での深い認識が存在すべきである。本稿では、単に中国国内販売の課題・対策という表面上論点ではなく、問題の背景や構造を明確化し、特に日本市場の常識で考えた場合に日本企業の誤認が発生しやすい部分を中心に論じている。また、日本企業全体としてみた場合、まだその力量を十分に発揮しているとはいいがたいと筆者は認識しているため、その論調もやや厳しいものとなり、日本企業に対する覚悟を促しているようなトーンでの記述としている。ただ、中国・上海での数多くのコンサルティング経験などから得られた、自社の問題点や状況の把握の手法も提示しており、日本企業のグローバル化に対していくばくかの助けになればと思っている。