経営戦略
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京都議定書の合意に基づき、日本は2008-2012年の平均で、1990年比で6%の温暖化ガスを削減しなければならない。だが2005年現在、マイナス6%どころかプラス8%という惨状で、このままでは目標達成は極めて困難である。日本の温暖化ガス排出の内訳では、産業部門の効率性はかなり高いといわれる。ところが、民生部門の排出量は増加傾向にあり、全体では思うような排出削減ができていない。つまり、日本にとって地球温暖化問題への取り組みは、もはや産業部門の問題ではなく、民生部門、つまりわれわれ一人ひとりの問題なのである。この部門からの排出を6%減らすには、1人当たり平均で6%削減するしかない。そこで本稿では、すべての日本人が否応なく参加でき、確実に温暖化ガスが削減できる温暖化防止プログラム、個人間排出権取引の導入を提案する。
個人間排出権取引とは、個人に「排出枠」を配布し、その枠の分だけしか温暖化ガスを排出できないようにする仕組みのことである。枠が余った人は売却し、足りない人は買わなければならない。京都議定書にある国家間の排出権取引と基本的には同じものであるであるが、これを個人間で行うのである。本稿では、この方法の利点、フィジビリティー、実行コスト、および考えられる問題点について詳細に検討を行った。