経営戦略
三菱UFJフィナンシャル・グループ一体となっての顧客支援も含めて、他社にはない独自の総合ソリューションをご提供致します。
90年代以降の法改正を受け日本でもM&Aを積極的に推進できる純粋持株会社という組織体制への移行が進んだ。持株会社経営という体制は、グループ内外におけるM&Aを容易にするという特徴があるが、それは言葉をかえると「企業(グループ)と社員との関係を永続的なものとして捉えない経営」であると言える。したがって、長期勤続慣行に根ざした従来の日本的経営とは異なる視点に立った経営スタイルが求められる。
純粋持株会社化と、事業本部制やカンパニー制といった擬似分社体制を比較すると、各種のメリット・デメリットが存在するが、概して純粋持株会社の方がメリット・デメリットともに影響を受けやすくなるハイリスクハイリターン型経営と言える。また、純粋持株会社は事業撤退等の事業整理局面においてはそのメリットを発揮するが、特定事業に人的・物的資源を集中したい時には別法人という壁がネックになることがあり得る。
そのような中で、持株会社と事業会社のあるべき関係は上下の関係ではなく、各子会社は顧客や市場に近いところで企業価値を高め、親会社は株主・金融機関・社会との接点を一手に引き受け企業価値を高めるといった、新しい分業体制と捉えることができる。
このような新しい分業体制を可能にするには各々において一層のプロ化が必要不可欠であり、その果てに、“日本的”持株会社経営というべきプロフェッショナリズム溢れる新しい経営スタイルの確立を期待したい。