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コンテンツ産業の未来像を拓く

2007/01/01

 近年、コンテンツ産業が、そして創造産業Creative Industryが国際的に成長産業として注目されている。
 映画祭は、映画産業、大きく映像産業の変遷によりその形を変えてきた。当初、政治的、祝祭的要素が強く、文化イベントであった映画祭が、ハリウッドが誕生し国際的な輸出産業となって「マーケット」が重視されるようになり、その一方で若い才能を発掘する手段としてのショートフィルムフェスティバルが注目されている。デジタルおよびインターネット技術は、単なるデジタル映画祭だけでなく、アマチュア映画祭、そして時間と空間を越えたインターネット映画祭が出現するなど、映画祭の姿を変容させている。
 また、映像クリエーターのプロとアマチュアの境をなくし、“一億総クリエーター時代”を創出している。さらに、国境を越えたマーケット(グローバルマーケット)を創出する大きな契機となっている。ユーザーにとっては、いつでも気軽に鑑賞でき、しかも自分が参加できる環境は喜ぶべき時代であり、さらなる需要喚起も期待できる。しかし、急速かつ野放図な拡大は、コンテンツ産業が生み出す“映像作品”、換言すれば“文化作品”あるいは“芸術作品”の質の低下を生むことも危惧される。
 デジタルおよびインターネット技術は、コンテンツ産業に大きな影響を与え、現在、その過渡期にある。そのツールを良い影響とするか、悪い影響とするかは、今後の課題であろう。

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