経営戦略
三菱UFJフィナンシャル・グループ一体となっての顧客支援も含めて、他社にはない独自の総合ソリューションをご提供致します。
○2012年の世界経済は、米景気の回復と新興国の高成長を背景に、3%台後半の緩やかな成長が見込まれる。
○米国は本格回復が視野に入る。家計の債務残高が増加したことから判断すると、成長を抑制してきた債務調整にめどがついたと評価できる。政府支出は減少するが、個人消費や設備投資など民間最終需要は総じて堅調であり、ガソリン高の影響は懸念されるものの景気の腰は強い。
○欧州の財政金融危機は落ち着きがみられるが、危機の原因となった双子の赤字と低成長が続いており財政再建の道筋はみえない。財政と経済成長の成果を得るまで時間との戦いが続き、危機が繰り返し再燃するリスクが高い。
○中国は600兆円近い経済規模になっても、なお8~9%の高い成長が続く。このため、年々の経済規模の増加分は、2ケタ成長していた頃と比べてもむしろ拡大している。この成長の果実をめぐり世界の国や企業による競争が激化している。
○リスク要因は原油価格の上昇である。原油相場が10ドル上昇すれば世界経済の成長率は0.5%下押しされる。メイン・シナリオは原油相場110ドル、世界経済成長率4%弱と想定するが、イラン情勢によっては、原油価格の高騰を伴いながら成長率が3%を下回って不況に陥るリスクがある。
○各国の金融政策では追加緩和策は見送られるものの、危機対応とリスク管理に配慮しバランス・シートの規模を維持する政策がとられる見通しである。財政再建は各国が取り組むべき最優先課題であり、政府債務削減の道筋をつけることが求められる。