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2014/2015年世界経済見通し(2014年7月改定)~緩慢な景気回復にとどまる一方で米中リスクに注意を要する~

2014/07/01
調査部

○2014年前半の世界景気は、年初(2014年1月)に発表した『世界経済見通し』で示したシナリオに沿って概ね推移しており、緩慢な回復が続いている。もっとも、米国景気が大寒波を受けて一時的に失速したことや新興国景気の立ち上がりが遅れていること、そして各国ともに輸出が低迷していることが、世界景気の下押し要因になっている。そのため、2014年前半の世界経済の実質成長率は、年初の『世界経済見通し』で想定した成長率よりも下振れしている。

○今回の改定見通しでは、世界経済の成長率が2014年は+3.4%に、続く15年は+3.6%になると予測した。2014年後半以降も米国景気が緩やかに拡大し、また欧州景気も持ち直しが続く一方、中国景気は7%台での巡航速度での拡大になるため、世界の景気は引き続き緩慢な回復にとどまるというシナリオ自体には変更がない。ただ、2014年前半の成長率が下振れしたため、14年、15年の成長率とも前回1月の予測(14年が+3.7%、15年が+3.9%)から下方へと改定した。

○各経済別には、米国の実質経済成長率は2014年が+1.8%、15年が+2.7%になると予測した。また欧州(ユーロ圏)の実質経済成長率は2014年が+0.9%、15年が+1.5%になると予測した。さらに中国の実質経済成長率は2014年が+7.5%、15年が+7.6%になると予測した(アジアの成長率は14年が+6.6%、15年が+6.8%)。

○先行きの世界経済を見通す上では、4つの下押しリスク(【1】米国の利上げと金融市場の反応、【2】欧州銀の資産査定結果とデフレ圧力、【3】中国の金融不安、【4】新興国・地政学要因)に注意したい。なかでも、【1】と【3】のリスクが顕在化し、米中という二大経済が変調をきたせば、景気・金融・商品など様々な面から世界経済に調整圧力がかかる危険性がある。とりわけ中国の金融不安は、それが顕在化するのか、そのタイミングがいつになるのかという点も含めて、世界経済の下押しリスク要因として中長期的にくすぶり続けるだろう。

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