経営戦略
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○2013年度までの日本経済は、欧州の財政金融市場の動向次第で下振れリスクが残るが、震災後の復旧・復興需要や、自動車販売の好調により失速には至らない。米国やアジアを中心とした海外景気の回復ペースの高まりを受けて、徐々に回復力が高まってこよう。
○震災からの復旧・復興需要は、短期的には景気の押し上げ要因となるが、ゆっくりと進められることになるため、構造改革を促進させ、日本の潜在成長率を押し上げるには至らない。電力不足は基本的には経済活動への影響は小さいであろう。
○日本経済に中期的な影響を及ぼす流れとして、(1)海外経済の動向、(2)少子高齢化の動き、(3)企業経営方針の在り方の3つの要因が存在する。まず、世界の成長率は、緊縮財政、金融規制強化、資源エネルギー価格上昇といった制約要因により、これまでと同じペースで拡大することは難しくなってくる。次に、少子高齢化の進行と総人口の減少は、これまで通り確実に進むことが見込まれる。最後に企業経営は、余剰資金を有効活用するためにグローバル化が一段と進むであろう。これらはいずれも日本の経済成長にとって抑制的な要因であり、日本の経済成長率はこれまでの拡大ペースを維持することは難しくなってくる。
○前提条件として、社会保障制度の維持と財政再建を目指して、2020年度までの間、4回にわたり合計で10%の消費税引き上げが行なわれると想定した。
○2010年代前半(2011~2015年度)は、東日本大震災によるマイナス成長から抜け出した後、2012年度~2013年度までは1%台半ばから後半の成長率を達成するが、2014年度には消費税の引き上げによって成長率が大幅に鈍化するため、実質GDP成長率の平均値は+0.8%にとどまろう。
○2010年代後半(2016~2020年度)は、人口減少が進むことに加え、消費税の引き上げが3回にわたって実施されることもあり、実質GDP成長率の平均値は+0.5%にまで鈍化しよう。貿易収支は赤字基調が定着し、赤字幅は次第に拡大していく。
○多くの課題が山積しているが、これらを乗り越えなければ、さらにその先の展望は開けない。そのためには、目の前の問題に一つひとつ地道に対応していくことが最も近道であろう。