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エンゲージメントサーベイ分析の二つのポイント

2022/04/26
古川 琢郎

エンゲージメントサーベイは、「企業および組織へのコミットメント」と「ワークエンゲージメント(仕事への「活力」「熱意」「没頭」の三つがそろった状態)」の二つの観点から、会社や仕事に対する従業員の愛着や誇り、関係の深さを測るものです。

>>エンゲージメントサーベイとは? 設計のポイントを解説

エンゲージメントサーベイ実施後は、課題を見極め、対応すべき優先順位を明らかにするために、結果の分析が欠かせません。本コラムでは分析の際の二つのポイントをご紹介します。

エンゲージメントサーベイ分析のポイント1. 構造化

図 プロジェクトにおける成果物を元に当社作成

(出所)プロジェクトにおける成果物を元に当社作成

上司と部下の関係性や仕事への意義など、改善したい「ワークエンゲージメント」と「組織コミットメント」に何が影響しているのか、重回帰分析や決定木分析などの統計 / 解析手法を用いて明らかにしていきます。

その際、図の第一階層のような目的指標への直接的な影響指標だけでは、課題が漠然としており、有効なアプローチまではなかなか見えてきません。影響指標への相関をさらに深掘りしていくことで(図の第二階層・第三階層)、関係を類推できるように構造化していくことが必要です。

エンゲージメントサーベイ分析のポイント2. 組織・属性ごとの傾向の見極め

「ワークエンゲージメント」と「組織コミットメント」に対する影響指標は、企業や組織のミッション、職種や年齢層等の属性によっても大きく異なります。

図 高エンゲージメント者に共通する特徴

(出所)プロジェクトにおける成果物を元に当社作成

上図では管理系組織(経理や総務、人事といったコーポレート組織)と開発系組織(商品開発、技術といった組織)で高エンゲージメント者に共通する特徴を抽出した例です。管理系組織の場合は「業務分担」「業務改善」「風通し」「互いにサポートできる風土」といった項目がエンゲージメントへの影響指標になっているのに対し、開発系組織では「新しい取り組みを含めた目標の浸透」「ノウハウ・スキルの共有による成長の実感」といった項目が影響指標になっていました。

この場合、たとえば全社的に業務改善に取り組んだとしても、開発系組織にはほとんど効果が無いと想定されます。つまり、組織や属性ごとにエンゲージメントが高い項目、低い項目の双方があることを念頭に置くことが分析において重要です。

最後に

従来型の従業員満足度調査やエンゲージメントサーベイの分析では、各スコアの属性比較や経年比較、満足度やエンゲージメントとの相関係数のみを出して終わるケースも未だ多いです。しかし、エンゲージメントサーベイの結果を有効活用するためには、さらに深掘りした分析が欠かせません。事前に立てた仮説に基づき、組織や属性ごとに影響指標を構造化し、相関項目を洗い出すことで、初めて意味のある施策に繋げていくことができます。

エンゲージメントサーベイの綿密な分析結果による「ワークエンゲージメント」と「組織コミットメント」の改善をご検討の際は、ぜひ、当社の専門家にご相談ください。

 

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