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カイゼン運動からはじめる自治体経営革新

2007/04/01
島崎 耕一

 近年、ニューパブリックマネジメントの考え方の導入や行政評価制度などの仕組みが自治体において導入され、マネジメントのレベルアップが着実に進みつつあるが、目に見えるかたちで大きな成果を生み出すことができている例は少ない。マイナス思考、ネガティブ思考の職場風土、職員意識という厚い岩盤がまだまだ残っている。仕組みを変えるだけでは不十分であり、現場の職員が変わらなければ、自治体は変わらない。
 2000年に福岡市で始まったDNA運動に端を発した自治体職員による業務改善運動は、静かに全国に広がりを見せ、2007年2月に全国規模での発表大会を山形市で開催するに至り、ひとつの大きな節目を迎えた。自治体職員による業務改善活動には、自治体の変革を阻む厚い岩盤に風穴をあける可能性がある。
 尼崎市の「YAAるぞ運動」での活動推進者に対するアンケート(自己評価書)によると、活動を継続することにより、改善テーマや取組方法が年々レベルアップしている。サービス向上やコスト削減だけでなく、現場のモチベーションや職員満足の向上にもつながっている。
 業務改善活動の活力を維持することは難しいが、先行している自治体の取組から導き出された成功要因(KFS)を参考としながら、より多くの自治体が業務改善の輪に加わっていくことが期待される。また、その効果を1つの自治体内にとどめるのではなく、自治体相互に活用できる仕組みをつくることによって、自治体における業務改善運動を定着・発展させていくことが求められる。

研究開発第1部(大阪)
主任研究員
島崎 耕一

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