経営戦略
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現代社会は、国家間、世代間など、様々な「格差」が存在しているが、こうした背景を踏まえて、本号では「環境格差」を特集テーマとしている。そしてすでに環境分野においては、先進国と途上国との関係において「共通だが差異ある責任」というコンセプトも提唱されており、“格差”を前提にした議論が行われているが、現実の地球環境問題において、それにかかわる「社会的費用」は誰がどのように負担していくべきなのであろうか?
この難題に対して、「コミットメント(Commitment)」という新しい原理を提唱しておられるのが、環境経済学を専門とする寺西俊一氏である。同氏は現在、一橋大学大学院経済学研究科教授として教鞭をとられているほか、日本環境会議理事・事務局長等の社会的活動も積極的に推進しておられ、2002年にはアジア・太平洋環境会議功労賞を受賞されている。
今回の編集長インタビューでは、環境経済学をご研究され始めたきっかけを幕開けとして、社会的費用とはなにか、その「コスト負担」に関する四つの原理、地球環境問題とアジアへの教訓、世代間の環境格差を解消するための社会システム、さらには、ゆとりや豊かさを残しながら中小都市が生き残っていくための方策や市民セクターへの期待まで、縦横に語っていただいた。