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全社的リスクマネジメント(ERM)構築の必要性

2008/04/01
矢野 昌彦

 1992年米国において不正経理をきっかけに内部統制の枠組み(COSO:トレッドウェイ委員会組織支援委員会)が発表され、2004年にはCOSO-ERMとしてERM(ERM:Enterprise Risk Management)のフレームワークが発表された。
 今、国内外で、リスクマネジメントのフレームワークや手法は進化している段階である。日本においても大手企業が、JIS Q 2001:2001に沿ったリスクマネジメントシステムの導入が進んでいる点やCOSO-ERMとの融合化を進めている点が事例研究から考察できる。今までのリスクマネジメントとERMとの大きな違いは、①グループ会社全体の取り組み、②企業価値創造を目的とする、③戦略リスクを含む、④リスクの統合化などである。各企業は、COSO-ERMのフレームワークとJISのマネジメントシステムを融合化させ、競争力強化につなげる仕組みが必要である。
 今後、コーポレートガバナンスや内部統制の強化が高まる中で、企業単体のみでなくグループ会社全体を対象にERM手法の導入が本格化するであろう。

サステナビリティ戦略部
プリンシパル
矢野 昌彦

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