経営戦略
三菱UFJフィナンシャル・グループ一体となっての顧客支援も含めて、他社にはない独自の総合ソリューションをご提供致します。
国内では阪神・淡路大震災や新潟県中越地方の二度にわたる大地震、海外に目を向けるとニューヨーク同時多発テロ、中国の反日暴動といった人為的災害に鳥インフルエンザ流行の兆しなど様々な社会の不安定化要素が近年非常に目に付くようになっている。社会が不安定性を増していく状態の中で、企業・組織はこれまでと同様の発展・成長を維持できる可能性がせばめられ、先に挙げたような事態がひとたびでも発生すれば、多大な損失と従来と同じレベルで事業を継続することの困難さが生じる危険性が指摘されている。
そこで最近特に注目を集めている考え方・アプローチがBCM(BusinessContinuity Management:事業継続マネジメント)である。事前の備えを十分に行い、万が一の不測の事態に対応できるようにするという点では従来の防災計画等と変わりはないが、「事業の継続」という要素に焦点を当て、あくまで事業そのものを可及的速やかに復旧させるための準備・手当てを行おうとする点では大きく異なるのである。
このBCMについて、海外では取り組んでいる組織・企業の方が多数派であり、国際標準化に向けた動きも活発化している。地震国である日本でも内閣府や中小企業庁などが積極的な啓蒙・推進を行っているが、取り組みの難しさやコストの大きさといったハードルから実行している組織・企業はまだ少ない。今後その範囲を拡大していくことは、各組織・企業の枠を超えた国家的な課題と言ってもよいであろう。