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企業活動のグローバリゼーションのための経済法制インフラ

2008/07/01

 自由貿易協定/経済連携協定(FTA/EPA)は世界で200以上が締結され、グローバリゼーションの新たな経済ルールの基盤となっている。日本も9件のEPAを締結し、「経済財政改革の基本方針2008」でも2009年初めには合計12件にするとの目標も掲げられている。企業の国際事業活動の展開において、FTA/EPAは重要性を増しているものの、世界各国のなかでも日本のFTA/EPAへの取り組みが後発だったこともあり、日本企業による理解や活動は未だ進んでいない。
 FTA/EPAは、関税撤廃や原産地規則ルール導入など、物品貿易にかかわる枠組みばかりではなく、サービス分野の貿易や投資、製造業の投資、企業内転勤や投資家、専門職の移動、知的財産権の保護強化、ビジネス環境整備のための協議の実施等、企業の事業活動に関連する規定を多く含む協定である。日本企業には、こうした規定を事業活動のうえで活用し、協定の見直しに向けて残存する問題を指摘したり、新たな国との協定締結交渉の場に意見を反映したりといった積極的な関与が期待される。
 企業の国際事業展開に関わる国際経済ルールは、FTA/EPAのみならず、WTOや、投資協定、租税条約、社会保障協定といった二国間協定等によって形成されている。物品、サービス、人材、資金、情報など多くの要素が国境を越えて移動する企業活動のさらなる効率化や円滑化には、こうしたルール全体への理解や紛争処理機能を含む規定の活用が重要となる。

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