経営戦略
三菱UFJフィナンシャル・グループ一体となっての顧客支援も含めて、他社にはない独自の総合ソリューションをご提供致します。
フラット化する世界で、グローバリゼーション3.0の波は、国や企業のグローバル化に止まらず、必然的に人材のグローバル化を推し進める。
少子高齢化が進み人口が減少するこれからの時代に、日本企業は、国境を越えて有能な人材を求める必要性に迫られている。IT(情報技術)企業を筆頭に、熾烈な人材争奪戦(War for Talent)がグローバルに展開されているのが実情だ。
しかし、日本企業の人事や人材マネジメントは、この変化に柔軟に対応できているとは言いがたい。例えば、中国で実際に取り組まれている経営の現地化やローカル社員の人事・処遇制度を見ても、課題は明らかに多い。グローバル標準で成果主義が主流の時代でも、いまだ年功制を引き摺り、硬直的かつ融通の利かない人事制度を運用している企業や、異文化マネジメントの拙さから、ローカル社員と要らぬ摩擦を生んでいる日本人駐在員も多いのだ。
グローバル人材マネジメントとは、クロスボーダーで展開される事業の最適化に対応し、グローバル統一基準の人事・人材戦略を展開していくことである。それは、グローバル人材を処遇するための「グローバル・グレード制」の導入や、グローバルに共通する報酬パッケージの構築にある。一方で、現地マーケットを考慮して、各国・地域で競争力ある報酬水準を維持していくことが重要だ。
日本企業は、「エンプロイヤー・ブランド」(雇用主としての魅力度)を高めるために継続的な努力を続け、日本人もローカル社員も相互に利する関係構築のために、グローバル・リーダーシップやマネジメント・スキルの習得に専念して、真のグローバル人事の実現を図るべき時にきている。