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低成長では高齢化社会は乗り切れない

2009/01/01

 今後も高齢化は急速に進む。このままでは、現役世代は、その負担がますます重くなり、所得があまり増えないなかで窮乏化していかざるをえない。高齢化社会を乗り切るには、どうしても経済成長率を高める必要がある。しかし、今日の日本経済には活力に満ちた昔の面影はなく、長期的な停滞状態にある。これは、経済環境が変わり、日本経済がその新しい環境に適応できないでいるためである。
 所得水準が低い時代には市場がよく見えたため、「みんなで一緒にがんばって」との日本的価値観がよく馴染み、日本はたいへんな力を発揮した。これを「生産の時代」という。ところが、生産が簡単になる一方、商品の多様化が進んで市場が見えなくなり、リスクが高くなると、商品企画、技術開発、企業方針の決定など企業としての意思決定の良し悪しが付加価値を左右するようになる。企業はリスクの高い勝負をせまられるわけだが、失敗をおそれてこれをさけると、価値が生まれなくなり企業は衰退してしまう。まさに、経済環境が「勝負の時代」に変化したのである。勝負は、みんなでがんばってもうまくいくわけではなく、勝負に長けた「才人」が必要になる。ところが、日本では、日本的価値観から「才人」を評価しないし、活躍の場をあたえないために、「才人」が現れない。これでは、勝負がうまくいかず、勝負をさけてしまう。これが、不適応の実態である。
 そこで、日本的価値観が生まれた背景を400年前までさかのぼってさぐり、その本質を明快にする。そして、「日本的やり方」を改革し、「勝負の時代」に適応できるようにして、日本経済を活性化させる方法を提示する。

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