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2025年のアフリカ経済:今後アフリカはどう変化するか?

2009/01/01

 アフリカ経済はこれまで世界経済のなかではマイナー・プレイヤーに過ぎなかった。地域紛争、マラリア、エイズ、貧困などの問題を抱え、貿易投資というよりは援助の対象国というイメージが強かった。しかし昨今の資源価格の上昇を背景に高度経済成長を続けるアフリカの国が現れ、サブサハラ・アフリカの経済成長は先進国を上回っている。アフリカの人口は先進国の倍の勢いで増加し続けており2025年になってもピラミッド型を維持し、先進国のような高齢化社会になる見通しにはない。これまで内戦・紛争や国有化や政府の制度的な壁に阻まれていた資源開発と貿易投資は最近になって外国投資の受け入れと開放的経済政策が採られるようになり、石油・ガス、鉱物資源、水力発電、農業などの今後の開発ポテンシャルは高い。アフリカでは各地で経済回廊構想による国境を越えた広域的な地域開発が進められており、内陸国の資源開発を促し港湾へのアクセスを確保し、また国境での通関の簡素化など制度面の改善も図られようとしている。さらに、複数ある地域経済共同体単位で域内の自由貿易の促進、関税の引き下げと将来的には共通通貨構想もあり、共同体同士の自由貿易地域も創設されようとしている。このような、将来的な発展の可能性を持続性のあるものにするためには、人材育成、環境保全、コミュニティ開発といった開発の負の側面をカバーするソフト・パワーを貿易・投資活動に伴わせる必要がある。植民地時代の宗主国であった欧州に代わって、中国、インドといったアジアとの経済関係の緊密化も最近の傾向であり、東西交流による経済発展が期待される。

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