経営戦略
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2008年11月以降、学校法人の資産運用に関わる損失をめぐる報道が相次いでいる。本稿では「なぜこのような結果になったのであろうか?」また「どのようにすればこのような結果を回避できたのであろうか?」といった素朴な疑問を出発点に考察をすすめた。
問題の背景として見えてくるのは、少子化の中で少しでも帰属収入を増やしたいという学校の強い動機である。そして、低金利時代に高い利回りを目指し、運用資産の現状とマッチしているとは言えないような運用商品を購入している姿も垣間見える。結果、一部の学校では、リスクのある運用をしているにもかかわらず、リスクマネジメントが十分にできておらず、想定外の損失をかかえるに至っている。
また、運用の現場では、運用担当者に大きな負荷がかかっており、彼らを手助けし守るべき組織体制や運用管理規程等の整備が十分とは言えない。
一連の資産運用に関する報道は、学校にとって、資産運用に関する組織体制と運用管理規程等を整備し、学校のガバナンスとリスクマネジメントはどうあるべきかを考える契機となるだろう。