経営戦略
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知識基盤社会を迎え、知識の創造・継承・展開を担う大学の役割の重要性が、改めて認識されるようになった。わが国でも、この10数年産学連携の取り組みが活発化し、大学と企業との共同研究や、企業からの委託研究も増加し、大学から産業界への技術移転を担うTLOが数多く設立された。
このように、研究を通じての産学連携は急速に進展したものの、人材育成つまり教育面での産学連携は必ずしも効果的ではなかった。企業は終身雇用制度を前提に自社教育を重視し、大学は学術的な専門教育に拘泥してきた。しかし、企業を取り巻く環境も大きく変化し、企業は即戦力を求めるようになった。また、大学も、少子化による学生獲得の競争激化や、説明責任と質保証への圧力の高まりなどから大学教育を通じて育成する人材像と付加価値を明確にすることが求められるようになってきた。
とくに、今日社会から大学教育で育成することが強く望まれているのが、大学での専攻分野にかかわらず、市民や組織人として共通に必要な、問題解決力、コミュニケーション能力、チームワーク力などの、いわゆる「汎用的なコンピテンス」である。今後、どのような能力やコンピテンスを大学教育を通じて育成すべきか、大学と社会や産業界との建設的な対話と協同が一層活発化することが望まれる。