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新時代のマルチステークホルダー・プロセスとソーシャル・イノベーション

2010/07/01

 1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットで、人類は持続可能な発展という壮大な挑戦に向け大きく舵を切った。以来、国際社会では持続可能な社会を支える新たなガバナンスのあり方が模索され、実践されてきた。――“マルチステークホルダー・プロセス(MSP)”と呼ばれる、多様なステークホルダーが参加した対話と合意形成の枠組みである。
 MSPは、持続可能性やグローバルガバナンスを巡る国際的な議論を政治的・思想的源流に持ち、1990年代以降、国際機関の意思決定プロセスやさまざまな基準やルールづくり、開発プロジェクトの実施プロセス等、多種多様な場面で活用され、洗練されてきた。
 その本質はソーシャル・イノベーションに向けたプラットフォームであり、そこでは、すべてのステークホルダーが対等な立場で参加し、平等に説明責任を果たすとともに、他者との対話を通じたソーシャル・ラーニングを繰り返し、オーナーシップをもって創造的な解決策を共有する。
 特に今後は、従来のステークホルダー分類に回収されない、より多様で細分化されたステークホルダーが形成され、柔軟に集合・離散を繰り返しながら課題解決を図る、“小規模・分散・課題解決型”のMSPが求められる。
 本稿では、地球サミット以来の国際社会の挑戦について概観しながら、MSPの定義や構成要素、機能、類型、意義等について論じるとともに、今後求められる新時代のMSPのあり方を探る。

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