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オンラインで合意の形成を考える

2010/07/01
中田 雄介

オンラインでの合意の形成を軸に、まずはその前提としての意思表示のパターンとコンテクストの共有の重要性を指摘した本稿では、コンピュータテクノロジーがオンライン/オフラインの個人の認知活動を支援し、さまざまな合意形成を下支えすることを論じた。その一方で、このような技術には、人々の学習機会を奪う側面があることを指摘した。この点は、今後のコンピュータテクノロジーやインターネットの発展を考えるうえで、重要な論点になりうると考えられる。また、多様な属性を有する人々が、オンラインで自らにとって心地よい情報ばかりを受容することにより生じる社会分裂の恐れは、社会的な合意の形成に影を落としていることが指摘されている。そこで、本稿ではこの問題に対する積極的な対応として討論型世論調査を取り上げるとともに、オンラインの討論型世論調査の可能性について論じた。このように、本小論は合意形成を行う個人、そして、その個人の集合としての社会が合意を形成するうえで抱える問題について、人々のオンラインの利用特性を踏まえ、解決に向けた方策等を内側から考えたものである。

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