経営戦略
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今日の地域問題や開発事業をめぐる社会的合意形成の困難性や可能性を検討するためには、「経営システムと支配システムの両義性」という視点が不可欠である。行政側と住民側の間で合意形成が困難化している典型的状態は、経営システムの文脈における経営問題の解決努力と支配システムの文脈における被格差・被排除・被支配問題解決努力の逆連動として把握できる。そのような状況において、合意を形成するためには、「2つの文脈での両立的問題解決の公準」と「支配システム優先の逐次的順序設定の公準」という2つの規範的公準を実現することが大切である。
しかし、その具体化のためには、「受忍限度の定義問題」「受苦の防止可能性問題」「受苦の補償可能性問題」という支配システムにおける利害調整に関わる難問を解かなければならない。そのためには、支配システムにおける道理性の実現が不可欠であり、道理性の内的契機をなす、基本的人権、衡平、公正、賢明さの概念解釈についての合意を形成する必要がある。社会過程的には、「要求の経営課題への転換」「受苦の費用化」「受益の環流による受苦の相殺」を実現することが合意形成の鍵である。紛争解決の社会過程については、「勢力関係モデル」と「理性的制御モデル」という2つの類型を提出できるが、前者があてはまるような現実の状況を後者があてはまるような状況に段階的に変革していくことが必要であり、そのために、非暴力化、言論闘争化、論争的理性化、対話的理性化という方向への変革を推進し、支えるような制度形成と主体形成が必要である。