経営戦略
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リーマンショック以降の世界的不況のなか製造業を中心とした中小企業の業績は悪化の一途をたどっており、少子・高齢化により中小企業の経営環境はより厳しくなると予想される。一方で環境ビジネスの市場は拡大を続けており日本国内での市場規模は2006年には45兆円であったが、世界規模では2007年~2008年にかけて約600兆円規模に達すると言われている。
環境ビジネス市場の拡大は、経済成長が目覚しい中国やインドといった発展途上国における公害対策等への需要の拡大や、気候変動対策への投資の増加、米国のグリーンニューディール政策をはじめとする景気対策としての投資策に後押しされていることが背景にある。我が国の環境技術は、高度経済成長期の公害対策、石油ショックへの対応としての省エネ技術といった環境
制約のなかで改善を重ね、2000年には世界最大の環境関連機器等の輸出国となった。しかし、安価な製品を次々と海外市場に送り込む中国や韓国に席を譲り市場シェアを低下し続けているのが現状である。
経済産業省や環境省、東京都は国内の環境対策として二酸化炭素の排出削減・吸収量を排出権クレジットとして取引する制度を導入している。中小企業は植林事業や省エネ事業の実施により設備補助を受けることができ、さらに削減・吸収した二酸化炭素を他の企業に販売することもできる。国の補助に頼らず自社の技術力を武器に海外市場に布石を打つ中小企業もある。
本稿は、成長を続ける環境関連市場について国内外の動向および国内の中小企業への各種補助金制度について整理し、中小企業の環境ビジネスへの取り組み例を紹介する。