経営戦略
三菱UFJフィナンシャル・グループ一体となっての顧客支援も含めて、他社にはない独自の総合ソリューションをご提供致します。
本稿の主な内容は、以下の通りである。
(1)財務省・内閣府が作成している「法人企業景気予測調査」のうち、企業景況感を把握しようとする景況判断項目のBSI(Business Survey Index)については、景気の転換点にBSIが0(ゼロ)を横切るというその性質について、予め理解しておく必要があること。
(2)大企業のミクロ景況感BSIには、以下の特徴があること。①季節調整を行うことにより他の経済指標の動きとの間の整合性が明確になり、景気転換点のタイミングも正確に測れる。②2000年代央時点では、一次産品価格の高騰がミクロ景況判断に際しての大きなマイナス要因だった。
(3)BSIから見た中小企業の特徴として、次の点が挙げられること。①大企業では製品在庫率がトレンド的に低下している中でリーマン・ショックにより在庫の大幅な積み上がりが発生した。一方、中小企業では在庫率がこのところ横ばいで推移してきている。②中小企業は大企業と比べて設備不足感が強くなっている。その背景には、中小企業の利益率が低いことや、長年にわたり設備投資が少なかったことで設備が老巧化している可能性がある。③中小企業は、大企業と異なり従業員1人あたりの売上が伸びていないことから、従業員数の過剰感は大企業よりも強くなっている。その一方で、臨時・パート雇用者に関しては、大企業が雇用を減少させているのに対して、中小企業ではむしろ増加させている。