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変貌する企業経営者

2011/01/01

 中堅・中小企業にとって、取り組むべき課題が一段と高度化、複雑化してきている。それらの環境変化に対応していくためには、チーム経営が必要である。そもそも会社法では、「会社と取締役との間の関係は委任に関する規定に従う」とされている。したがって、会社から経営を委任された取締役には、善良なる管理者の注意をもって職務にあたる義務があり、経営者にとってチーム経営は当然のことである。
 しかし、実態は形骸化している。一方、チーム経営がもつ本来の良さがより一層要求されるようになってきている。そこで、本稿ではとくに中堅・中小企業経営が、カリスマ・ワンマン経営といわれる経営からチーム経営に変化するべき必要性と考慮すべきその方向性を考察する。
 チーム経営は、時代背景を前提として、法律による要請と経営的課題の変化の観点からその主な必要理由が説明できる。チーム経営づくりの要諦は、「明確な目標」「チームリーダー」「チーム力」「チーム格を理解する」「自主裁量環境を創り出す」ことである。また、チーム経営を効果的に運営していくのは、その構成要員のチームメンバーである。中堅・中小企業経営者がチーム経営を意識して経営に臨む際の視点としては、「主体者と支援者」「アート型とサイエンス型」「際」がある。
 どんなに優れた名経営者といえどもひとりでできることには限界がある。すなわち、経営とは人にかわりにやってもらう仕組みづくりなのである。経営環境が一層厳しくなってきている今日、カリスマ経営者による経営からチーム経営への転換が企業経営にとって有効となる。

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