経営戦略
三菱UFJフィナンシャル・グループ一体となっての顧客支援も含めて、他社にはない独自の総合ソリューションをご提供致します。
現代の若者たちが仕事に求めているのは、自分を活かせること、自分が誰かに役立っている実感を持てることであり、それが満たせるなら大企業、中小企業、NPOなど組織の規模や形態にはこだわらなくなってきている。現代の若者は、成熟したデフレ経済の中で「大企業なら安心」「給料は定期的に上がるもの」という期待を持てず、個人を結ぶ情報ネットワークの中で職場文化に縛られた発想を持っていない。そんな彼らは、職場に対して「なぜ自分が、ここで働くのか?」への答を求めている。
中小企業は「経営者と社員との連帯感」「仕事の全体像を体感できる」など、現代の若者の仕事のニーズに対して、大企業が満たしづらい点で強みを持っている。今は中小企業にとって優れた若手人材を確保する好機と言える。
本稿では、中小企業が若者に選ばれる企業となるために、「ビジョンの共有」「仕事のバリューチェーンの体感」「職場でのワークショップの活用」「仕事のフィードバックと見える評価」「ファシリテーター型リーダーシップ」の5つのポイントをあげている。これらは、会社を指揮系統の効率化を重視する組織中心の考え方から、社員が自分の力を発揮しあえる場という個のつながり中心の考え方に変化を促すものだ。
「なぜ、この会社か?」を問う若者に応えることは、これからの経済社会において「なぜ、この会社か?」が顧客、投資家、社会から問われる時代に、組織中心(1.0型)、個人中心(2.0型)を超えて、企業に携わる個のつながりを競争力の源泉とする「3.0型」企業への第一歩である。