経営戦略
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福島には震災1年後の時点で、震災前の家や地域から離れて避難生活を強いられている人が16万人いる。このうち6万人が県外避難者であり、しかもいまだに避難者数は増え続けている。このほとんどは原発災害による避難者であって、震災前に住んでいた市町村とは風土も気候も異なる地域で生活をしている。
福島で復興を語ることはたいへん難しい。むしろ今、緊急にやらなければならないことは、避難生活を強いられている人たちのシティズンシップ(市民権・市民性)を維持しながら、日々の日常生活を回復させていくことである。そのためには、原発災害避難者がどのような状態におかれて、何を感じているかを、震災後の時間の流れとともにつかんでおく必要がある。
本稿は震災以降、3回にわたって継続的に調査している原発災害避難者実態調査を整理することを通じて、この問題の隘路を明らかにし、さらに打開策を展望しようとするものである。