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震災後のマーケットのグリーン化

2012/01/01

 東日本大震災によって、膨大な緊急課題が山積した状況になり、地球レベルの環境問題は忘れられようとしている。
 しかし、よく考えてみれば、福島原発事故への対応で、電力供給システムに大変革を起こすことが必要となり、その究極の方向性は、気候変動防止という地球レベルの課題を解決する方向性と、一致したものであることが分かる。当面、電力供給量の確保が最大のかつ独立した課題ではあるが、共通解は、徹底した省エネと再生可能エネルギーの大量導入である。
 さらに、この解は、この国の大きな弱点であるエネルギー安全保障面でも有効で、同時に、日本産業の生存策のひとつのように思える。すなわち、再生可能エネルギーは国産のエネルギーであり、その大量導入はエネルギーの輸入費用を削減することに繋がり、日本経済が持続するための有力な手段になると同時に、そこで開発される技術が海外でも活用できるものになれば、日本の産業の一部を支えることが期待できるからである。
 今後の地球レベルでの大きな流れを考えれば、地球の限界を超えないようにマーケット全体をグリーン化する必要があるが、現在の日本の状況は、その実現に向けて、極めて有力なきっかけになり得る。
 本稿では、このような長期的展望に向けて、歴史と現状を分析してみたい。すなわち、これまでのマーケットのグリーン化が進展してきた状況をできるだけ多面的な観点から俯瞰すると同時に、エネルギー分野以外でも、グリーン化した社会が構築される必要性を述べ、そのために消費者、供給者、政策決定者がどのような基本的なマインドをもって取り組みを行う必要があるか等を考察してみたい。

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