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日本の復興はいかにして可能か

2011/07/01

 東日本大震災と原発事故に見舞われた日本が再び世界に冠たる国家として再生できる道はあるのか。この非常に困難な課題について適切な提言をすることは困難を極める。そこで本稿では、原発をどうするのかという問題と、「失われた20年」の意味をどう理解すべきか、という2点に絞って述べた。
 原発については、日本が30年先を見据えて「脱原発」を宣言すれば、おそらくは自然再生エネルギーに関する画期的な技術革新が次々に生まれ、日本は世界に冠たる「自然エネルギー大国」として再生する可能性があることを指摘した。「失われた20年」については、「構造改革が遅れたから長期不況になった」という「改革派」の考え方ではなく、この期間に日本が何を失ったのかという事実を認識すること、なかでも、「官僚つぶし」と「銀行つぶし」が大きな意味を持つことを指摘した。日本がこのまま低迷を続け、「失われた30年」「失われた40年」への失敗を繰り返さないためには、「失われた20年」の間に日本が何を失ったのかを我々自身が明確に理解することの必要性を強調した。
 しかし、本稿では、「失われた20年」で我々が失ったものが何であったのかを理解した後、我々が具体的に何をなすべきかについては触れていない。人口減少、巨大な国家財政の累積赤字、デフレの継続、地方の疲弊、中国をはじめとするアジア諸国との関係構築など、重要テーマが目白押しである。日本の復興を実現するには、「脱近代」の発想を軸に据えた政策体系を創り上げることが不可欠になると思われるが、それについては別の機会に譲らざるを得ない。

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