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看護職の確保・定着における課題と ワーク・ライフ・バランス型人材マネジメントの必要性

2013/04/30

2006年度診療報酬改定をきっかけに、看護職員の争奪戦が激しくなり、さまざ まな紙面をにぎわせた。今は当時と比べて一段落したようにも見られるが、今もな お、看護職員の確保・定着の問題に頭を悩ませる病院は多い。

看護職員が離職する理由は、結婚や育児等の家庭生活によるものも多いが、長時 間労働が多い等、職場環境に起因する要素も大きい。この長時間労働を是とする人 材マネジメントを行ってきた結果、結婚や育児等の理由で、働く時間に制約のある 職員は、常勤看護職員として活躍し続けることが難しく、非常勤のパートタイマー として雇用形態を変更したり、離職を選ばざるを得なかった。

この問題を解決するには、従来型の「フルタイム・夜勤あり・残業もいとわない」 人材を前提とした画一的なマネジメントではなく、職員一人ひとりのワーク・ライフ・バランスの実現を目指 した人材マネジメントへの転換が求められる。

ワーク・ライフ・バランス型の人材マネジメントでは、次の4つの施策を展開する。第一に、ライフイベン トを経ながらも働き続けることができる「勤務形態の多様化」、第二に、従業員の多様性を受容しつつ、すべて の職員が常勤職員として役割を果たし、効率よく業務を行うための「業務体制・仕事管理の見直し」、第三に、 どのような勤務形態であれ、所定労働時間内における仕事ぶりを公正に評価し処遇するための「公正な評価・ 報酬の決定」、最後に、働く時間に制約のある期間でも、常勤職員としての学びと成長の機会を確保する「キャ リア形成支援」である。

この4つの視点により、看護職員の雇用の量・質ともに確保し、病院が目指すべき医療・看護サービスの提 供を図る。

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