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グローバル・グループマネジメントとグローバル人材

2014/05/21

近年の日本企業の海外進出は、過去の「日本における事業に軸足を置きつつ海外生産でのコストダウンや新たな市場を狙う」ものから、「縮小する国内市場に代わる新たな事業の主戦場を求める」ものへと変化が見受けられる。

このため、十分な体制整備を行い、安心できる体制で海外進出を行いたいというニーズが大きく、グローバル人材の獲得や育成への関心の高まりも、このような背景を反映しているものと考えられる。

半面、自社でグローバル人材にどのような業務を担わせるのか具体的なイメージを有している企業は少なく、言葉が先行しているのが現状である。

一方、現地法人における問題意識は人事、経理、法務等いわゆる管理部門の業務について大きく、現地法人マネジメント人材の不足が課題となっていることが想定される。

そこで、企業のグローバル活動において必要とされるマネジメント業務と課題について整理を行い、以下のことを明らかにした。

(1)海外進出初期段階では、本社および外部専門家の支援が手厚く、また有効に機能することが多い。このために、現地におけるグローバルなマネジメント人材の必要性は低い。

(2)複数国への展開が行われる段階で、本社からの支援が手薄になりがちである。また設立時に外部専門家を導入して整備した体制が陳腐化してくるため、現地法人に適切なマネジメント人材を配置することが望まれる。

(3)海外売上比率が上昇しグローバルな最適化を模索する段階においては、複数の現地法人の事情を勘案し、グループ戦略と一致させることができるグローバル人材を、本社に配置することが望まれる。

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