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人事制度改革3.0

~グローバル人材マネジメントへのステップ・アップ~

2014/05/21

日本企業の人事制度改革は、1990年のバブル経済の崩壊を機に本格的にスタートした。この間、筆者は、シンクタンク系コンサルティング・ファームに所属し、組織人事戦略を専門ドメインとするコンサルタントとしてコンサルティング・プロジェクトを担当し、日本企業の人事制度改革をサポートしてきた立場にある。

このような職務キャリアの背景から、これまでの日本企業の人事制度改革の軌跡を俯瞰し、多様化・複合化し、かつグローバル化が求められてきている日本企業の人事制度改革の近年のトレンドもフォローした制度改革の流れを整理する。あわせて、昨今の人事制度改革の課題と今後の展望についても触れる。

過去20年の改革の歴史を踏まえても、いまだ解決に至らない多くの人事課題がある。コンサルティングの現場で実際のプロジェクトに取り組みながらも、乗り越えられない壁の存在を痛感する場面にも過去幾度となく遭遇してきた。グループ連結経営の潮流から、2000年以降の人事制度改革のテーマは、1社単体の人事からグループ人事へとテーマ的変遷を遂げ、2010年をひとつの転換点として、人口減少・少子高齢社会の本格的到来にともなう国内市場の縮小と、欧米および新興国企業との熾烈なグローバル競争への本格的対応のため、人事の領域も例外なくグローバル対応に迫られている状況にある。本稿では、この人事の潮流を「人事制度改革3.0」と位置づける。

このような現状を踏まえ、日本企業は今後どのような戦略を採るべきか、また、そこで働く人材は、世界と闘うために今後どのような対応が必要となってくるのか、という点も大きな論点となってくる。成熟国家・成熟経済のステージに立つ現在の日本企業の人事のこれからについても言及したい。

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