経営戦略
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本論文は、オリンピックの文化プログラムに関して、過去の大会に見られないほ ど、大規模かつ多様に実施された2012 年のロンドン大会に焦点を当てた事例研 究を行っている。最初に、「文化プログラム」の歴史的変遷を振り返り、現在までを 5 つの時期に分類した。
そして、2003 年以降、IOC が重視している「レガシー」という概念を把握したう えで、ロンドン大会における文化プログラムのレガシーについての記述を整理した。
続いて、ロンドン大会における文化プログラムの全体概要をイメージ図で提示し たうえで、主要なプログラムについて説明を加え、さらに参加者数や事業費等を分 析した。そして、文化プログラムの主要なステークホルダーについて検討したうえ で、ステークホルダー全体の関係を概念図として提示した。
次いで、ロンドンではなく、地方都市における文化プログラムとして、リーズ市(「リーズ・キャンヴァス」)と リバプール市の事例研究を行った。そして、ロンドン大会における文化プログラムのレガシーについて総括した。
ここまでの研究成果を踏まえ、2020 年の東京オリンピックにおける文化プログラムを日本全国で展開して いくために、「地域版アーツカウンシル」の必要性について提言を行った。そして、 オリンピックの文化プログラ ムにおいては、さまざまな社会実験を展開することを通じて、「文化に携わることがひとつの職業になり得るの だ」という大きなメッセージを発信していくことが重要であると指摘した。