経営戦略
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~文化プログラムやコラボレーション経済を切り口に~
2020 年の東京五輪では、1964 年の東京五輪のように経済的な効果やレガシー の期待が持たれる一方で、成熟社会を迎えた現代の日本、そして東京ではそれが可 能であるのか疑問が残る。また、そもそも東京五輪に対する「地方」や「非リア充」 からの「冷ややかな視線」があり、2020 年の東京五輪を国民的なイベントにする うえでの課題もみられる。
本稿では、クリエイティブ産業を軸としつつ、文化プログラムやコラボレーショ ン経済に着目して、これらの概念整理を行った。そして、これらを踏まえつつ、同じ く成熟社会を迎えている2012 年のロンドン五輪を事例に、2020 年の東京五輪 の枠組みのその経済的な効果から東京、ひいては日本に対する影響について推察し た。これによると産業面のPR としての効果は期待できるが、1964 年の東京五輪 ほど大きく引き上げるものではないと結論づけている。
しかし、ロンドン五輪におけるレガシートラスト、そして彼らが支援した 「Somewhereto_」のようなコラボレーション経済の枠組みは、日本が持つ市民文 化・ボトムアップの強さと相性がよいと推察される。こうした枠組みを活用するこ とや、さらにメインカルチャー・ハイカルチャーとサブカルチャーの間、東京と地 方の間をつなげて、それらによる経済的な環流を生み出すことが望ましい。そして、 このように分野や地域をつなげることは、東京五輪を国民的な活動に昇華させるう えでも重要であるだろう。