経営戦略
三菱UFJフィナンシャル・グループ一体となっての顧客支援も含めて、他社にはない独自の総合ソリューションをご提供致します。
グリーンインフラ(以下、GI)は、自然の機能を活用し、地域経済や生活の質を向上させる社会資本整備や土地利用管理に関する新たな概念である。GIが国の計画に位置づけられたことで、今後、関係省庁の公共事業として推進が期待されることに鑑み、本稿では、GIの公共事業評価手法の構築を検討する際の課題に焦点を当てて議論を展開する。具体的には、①自然環境保全型、②流域圏防管理型、③都市型再開発型、の3つのGIの整備タイプに分類し、既存の公共事業との関係性について仮定レベルで整理したうえで、GIと関係性のある公共事業評価マニュアルについて検証し、GI整備によって発揮することが見込まれる自然の多面的機能にかかる便益を適切に評価することが可能か否か、現状の対応状況を整理する。また、現状の対応状況より、(1)都市再開発型GIを想定した評価手法の確立、(2)既存の手法を活用する場合は手法の相違や便益の重複等を再整理、(3)GIによるソフト面に関する社会的価値の評価手法構築、といった、GIの評価手法構築に向けた3点の課題および検討の方向性について提示し、今後、こうした検討を進めるにあたっての留意点について言及する。