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バイオマスエネルギーが持つ「間接的土地利用変化リスク」とは何か

~カーボンニュートラルに向けた新たな論点~

2021/06/11
五十嵐 慶一

2050年までのカーボンニュートラルの実現に向けて、バイオマスエネルギーの活用に注目が集まっている。バイオマスエネルギーは「燃焼時に生じる二酸化炭素排出量と、原料となる資源作物の成長時における二酸化炭素吸収量が同等」という考え方のもと、カーボンニュートラルとされている。しかし、資源作物を栽培するプランテーション等の造成時に森林伐採等により膨大な温室効果ガスが排出される場合、そのような資源作物由来のバイオマスエネルギーはカーボンニュートラルとはならない。実際に、EU諸国やわが国のFIT制度は、森林や泥炭地等の土地利用変化、いわゆる高い炭素蓄積を有する土地から農地への転換を伴う事案については「その農地由来の資源作物を原料とするバイオマスエネルギーは非持続可能」と評価している。近年、バイオマスエネルギーの持続可能性に関する新たな論点として、直接的な土地利用変化に加え、「間接的土地利用変化」への関心がEUを中心に高まっている。

そこで本稿では、間接的土地利用変化とは何か(第1節)、そして、EUによる具体的な取組(第2節)と今後の動き(第3節)を整理し、最後に、カーボンニュートラルに向けたバイオマスエネルギーの活用へ与え得る影響について言及する(第4節)。

(続きは全文紹介をご覧ください)

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