独立社外取締役

会社法に定められた社外取締役の条件を満たすもののうち、金融商品取引所が定める独立性基準を満たすものを独立社外取締役と呼ぶ。

社外取締役 株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。(会社法2条15号)
イ.当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第363条第1項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。
ロ.その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。
ハ.当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。
ニ.当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。
ホ.当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。

2021年6月に公表・施行された、改訂コーポレートガバナンス・コードにおいては、市場区分によりそれぞれ下記の独立社外取締役についての選任基準が示された。
●プライム市場:取締役会において、少なくとも独立社外取締役を3分の1以上選任するべきであり、過半数以上の選任を推奨。
●スタンダード市場・グロース市場:取締役会において少なくとも2名以上を選任するべきであり、3分の1以上の選任を推奨。
なお、独立社外取締役に求められる役割は主に以下の4つである。
①経営方針や経営改善についての助言
②経営幹部の選解任等を通じた経営の監督
③会社と経営陣・支配株主等との利益相反についての監督
④少数株主等のステークホルダーの意見反映
コーポレートガバナンス先進国であるアメリカやイギリスでは、スキルマトリックスをもとに社外取締役のネットワークや外部エージェントを活用し、社外取締役候補人材を探す。
一方で、日本においては、経営執行サイドの紹介による社外取締役の指名が大多数を占める。そのため、必ずしも企業・社外取締役を担う人材が果たすべき役割を理解し、業務を行っているとは言い切れない。今後は、量的な基準のみならず、質の向上が期待される。

(金銅 芽里)

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