経営戦略
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~動く喜び 見る楽しみ~
2020 年の東京オリンピック・パラリンピックに関連したニュースが頻繁に伝 えられている。個々の報道を比べてみれば、国際オリンピック委員会が示した、開 催都市が追加できる新たな競技の話題や、自治体の参加国に対する合宿地誘致の動 きが大きな割合を占める。
半世紀前に開催された東京オリンピックは、高速道路や新幹線といった日本のイ ンフラと、立派な競技場や体育館からカラーテレビの普及までさまざまな分野に遺 産を残したが、ソフトの世界にも忘れてならないインパクトを生んだ。私たちの周 りにあった“体育”に対して、“スポーツ”という概念が急速に勢力を伸張するきっ かけをつくったのだ。
大会の開催まで残すところあと5 年あまり。東京大会のためにハコやモノをつくることは避けては通れない。 しかし一方で、後世に残すべきスポーツをめぐるシステムを、見えない財産として確立することができるのだろ うか。そこを取り逃さないために、巨大イベントをさまざまな角度からためつすがめつしたのがこの文章であ る。
オリンピックのような大きな競技会に人々が関心を持つのは何があってのことか。国際競技団体は、勢力を高 め競技を普及するためにどんな工夫を凝らしているのか。“プロ”と言われるアスリートに求められる要件は何 か。そうした“プロ”を世界に送り出すための若い世代の才能発掘がどのように行われているのか。そして、豊か になり始めたスポーツに対する私たちのアプローチはどうなのか。2020 年に向かう道すがら、スポーツをさ まざまな視点から検証することも、すでに東京オリンピック・パラリンピックのレガシーづくりになっている。