経営戦略
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~“異次元イノベーション”に関する考察~
今後、日本が経済成長を実現するためには、イノベーションに基づく新たな価値 創造が必要である。そこで本稿では、世界で最もイノベーティブな企業である Googleを題材として、同社が手がける複数のプロジェクトの「ゴール」を想像す ることを通じ、これからの時代における「イノベーション」の本質について考察し た。
具体的には、Googleブックスについては「電子書籍の世界最大手を目指してい るのか?」。また、自動運転車については「Googleは『第二のトヨタ』になりた いのか?」。そして、モバイル決済サービス「Google Wallet」については 「『Google銀行』は近い将来に実現するのか?」。さらに、Google Glassについ ては「『格好悪い』メガネなのか?」というように、疑問を呈する形で思考実験を 進めた。
考察の結果、Googleの挑戦には下記の4つの特徴があることが確認できた。
(1)供給サイドからではなく、需要サイドを当事者とした視点からの変革
(2)プライベート・セクターとパブリック・セクターをマッシュアップ
(3)既存の社会システムを補完するではなく、抜本的に革新
(4)その結果として、人類の発展(進化)に貢献
Googleの本質的な革新性は、個々の新規なサービスの提供にあるのではなく、これらのサービスを通じて、 社会のデザインそのものを根本から変革していくという構図にある。そして、この「ソーシャル・デザイン」 の変革が、新しい時代を創造するドライヴィング・フォースであり、新しい成長戦略になると筆者は考える。 本稿においては、こうした新しい次元でのイノベーションを「異次元イノベーション」と名づけた。