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教育サービスのIT活用イノベーション

2008/07/01

 近年、経済のグローバル化や社会のIT化が急激に進む中、人的資本が国家や組織の競争優位を決定するとして、教育サービスの質の向上が大きな注目を浴びている。IT時代の教育サービスの象徴的存在が、ITを活用した教育研修(eラーニング)である。
 日本におけるeラーニングは企業内教育や高等教育を中心に拡がり、一定の定着を見せている。最近では、個人の学習熱の高まりにより、BtoC市場でのeラーニングの普及が始まっている。また、学位取得のための学習のほとんどをインターネットでできるオンライン大学の立ち上げなど、新たな試みが増えている。
 このように日本において急速に普及しているが、eラーニングに関する研究、特に経済的・産業的研究の蓄積は少ない。これまでの研究の多くは、eラーニングの技術的面や、企業・大学といった主要ユーザ組織や学習者個人などユーザ側を対象にしたものである。しかし、eラーニングサービスの主要な提供者であるeラーニングベンダを取り上げたものは、単年度調査結果が収録されている『eラーニング白書』(経済産業省編)を除くとほとんどない。その白書においても、毎年の調査結果を比較した継続的な変化の分析はなされていない。
 本稿では、近年の教育サービス業の今後を占う存在として、eラーニングビジネスを取り上げる。特に、日本のeラーニングサービスの提供に大きな役割を果たすeラーニングベンダの動向に焦点を当て、IT時代における教育サービスの提供側の課題と今後のあり方について考察する。

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