経営戦略
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持続可能な経済発展は、自然資本、人工資本、人的資本、社会関係資本の4つの資本量が時間とともに総体として増加していくことを意味する。資本形成のための人間の営みの中で環境問題を発生させうるものが、人工資本を形成する「生産」と自然資本を選択的に育成する「自然の手入れ」である。「生産」と「自然の手入れ」のそれぞれについて、人工物サービスあるいは生態系サービスの増加量を、生態系サービス減少量で割った「エコロジカル効率」を想定できる。エコロジカル効率を増加させる営みが環境と経済を両立させる営みといえる。
環境の保全には、個人の健康で文化的な生活の確保という目的と、社会制度の持続可能性の確保という目的のふたつがあるが、人間は、短期的な生活の利便性を往々にして優先してしまう。「環境と経済の両立」のために行うべきことは、短期的なサービス量の低下を招くことなく環境負荷を低減する状態(共益状態)を実現する行動の領域を拡大していくことといえる。共益状態を獲得するための方向性は、①生産段階での歩留まり率の向上、②人工物サービスの獲得率の向上、③生態系サービスの捕捉率の向上、④自然資本の維持の4つにまとめられる。この方向性に合致する行動が社会的に経済的に評価されるよう、経済ルール(制度)を変えていくことが求められる。具体的には、物量情報公開制度、環境負荷に対する応因負担制度、自然の手入れに対する応益負担制度、拡大生産者責任制度、自治体による分散的資源開発が提案される。最後に、ポスト京都議定書を契機とした国際的な政策展開について触れる。