気候変動政策
日本の温室効果ガス排出・吸収量の算定、増減要因分析、将来予測などに関する検討(環境省)
日本政府は、国連気候変動枠組条約の下、カンクン合意に基づく2020年排出削減目標やパリ協定に基づく2030年排出削減目標の達成に向けて、さまざまな排出削減政策・対策を実施しています。この各種目標の達成可否の判断や国全体としての削減計画の立案、将来的な削減ポテンシャルの把握などの基盤情報となるのが温室効果ガス排出・吸収目録(温室効果ガスインベントリ)です。
当社は、毎年国連気候変動枠組条約事務局に提出する義務があるこの温室効果ガスインベントリの作成・改善を支援するとともに、温室効果ガス排出・吸収量の増減要因の分析、温暖化対策の進捗状況の分析と推進・強化方策の検討、研究プロジェクトとの協働、及び2030年・2050年といった将来の排出量予測の検討などを実施しています。
気候変動枠組条約の下での隔年報告書・国別報告書の作成などに関する支援(環境省)
日本政府は、国連気候変動枠組条約の下、温室効果ガス排出・吸収量の状況や2020年排出削減目標の達成に向けた進捗、政策措置の実施状況、途上国への資金・技術・能力開発支援の提供に関する情報を隔年報告書(Biennial Report)、国別報告書(National Communication)で定期的に国連気候変動枠組条約事務局に提出する義務があります。
当社は、日本政府によるこれら報告書の作成を支援するとともに、提出した報告書に対して実施される技術的審査(Technical Review)への対応支援を行っています。
気候変動並びにパリ協定の下での透明性・適応などに関する国際交渉支援(環境省)
国連気候変動枠組条約の下での気候変動関連情報に関する測定・報告・検証(MRV)制度の構築・運用に関する国際交渉の分析・支援やパリ協定の実施に向けた透明性制度(Transparency Framework)や適応(Adaptation)、吸収源・土地利用分野の各論点に関する技術的分析・情報収集、並びに各種国際会議への参加を通じた国際交渉支援を行っています。
気候変動枠組条約の下での報告書の分析・審査ツールの開発支援業務(UNFCCC、UNDP)
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)に加盟している締約国は、温室効果ガス排出・吸収量の情報、排出削減行動・政策に関する情報、資金・技術・能力開発支援のニーズや提供に関する情報を定期的に国連気候変動枠組条約事務局に提出する義務があり、提出された報告書は分析・審査を受けることになります。
当社は、その分析・審査に用いられるツールや分析官・審査官の育成プログラムの開発の支援を行っています。
自治体・企業レベルの温室効果ガス排出・吸収量算定方法、算定制度の検討(各省庁、地方自治体、民間企業など)
温室効果ガスの排出・吸収源やその対策対象範囲は多岐にわたることから、日本国内でも、国の算定や対策に新規の排出・吸収源や活動を組み込み、自治体やプロジェクトレベルでの気候変動対策実施効果を計算・評価するというニーズがあります。
当社は、国内制度や国際条約下で求められる要件も踏まえつつ、新たな算定方法、評価方法の構築に関する支援を行っています。
わが国の実態に即した温室効果ガス排出係数開発及び活動量把握に関する調査(環境省、農林水産省)
温室効果ガス排出量は、温室効果ガス排出係数(例:プラスチック1kgの焼却時に排出されるCO2排出量)に活動量(例:プラスチックの焼却量)を乗じて算出しており、温室効果ガス排出係数と活動量をより実態に沿ったものに改善することは、わが国の温室効果ガス排出実態のより正確な把握や、温室効果ガス排出削減対策の検討・立案、進捗状況のモニタリングに必要不可欠です。加えて、わが国で開発する排出係数をIPCC排出係数データベース(EFDB)に登録することは、途上国における温室効果ガスインベントリ作成支援にもつながります。
当社は、国立研究開発法人国立環境研究所、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構や大学などの学術機関と連携して、廃棄物分野や農業分野を中心にわが国の実態に即した排出係数開発に向けた調査方法論の検討、実測調査の実施、排出係数の開発、温室効果ガスインベントリへの適用、EFDBへの登録支援などを実施しています。また、各種産業におけるエネルギー消費実態の調査など、活動量を把握するための調査も実施しており、わが国の温室効果ガスインベントリの改善に役立てています。
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